【終活】【独身男女の死生観の実態調査】生まれ変わっても「おひとりさま人生」を望む40代以上が 男女ともに半数を超え、暮らしぶりに満足 ~終活に対する興味関心度の高さにおいて、総じて女性が男性を上回る 女性は将来を見据えて終活意欲が高い一方、 男性は結婚意欲の高さを見せるなど、今を生きる傾向に~

2018/06/12

調査レポート

◆調査背景


 近年、終活への関心が高まる中、自身の終末期を想像し、お葬式やお墓に関する不安を抱える人は増加しています。2018年1月に発表された厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、日本国内における単身世帯の割合は増加傾向にあり、2040年には約4割に達する見込みです。当社のお客様センターへのお問い合わせも、単身世帯の方からのご相談が増加していることに加えて、生涯未婚率の上昇や高齢者の孤独死などを受け、自治体が終活支援サービスの開始に踏み切るなど、単身世帯の終活が注目を集めています。本調査では、性別や年齢によるおひとりさま(死別・離別問わず現在未婚の方)が持つ死生観や終活への価値観、将来への展望、不安などに着目し、40歳以上の独身男女444人に調査を行いました。


【調査概要】
調査名  : 第1回おひとりさまの死生観に関する意識調査(2018年)
調査対象 : 全国40歳以上の独身男女(死別・離別問わず現在未婚の方)
調査期間 : 2018年5月23日~5月28日
調査方法 : インターネット調査
有効回答数 : 444件
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しています。
このため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。


◆調査トピックス


◇40代以上の独身男性の結婚意欲は女性に比べて約2倍
 ―― 人生後半のライフプランの多様化が表れる
◇終活を行う理由1位は「周りに迷惑をかけたくないから」
 ―― おひとりさまならではの周囲への気遣いが浮き彫りに
◇老後や終末期に備え、興味関心のあるもの・既に取り組んでいるものベスト3
 ――「健康の維持」「趣味の充実」「旅行などの思い出作り」
◇自身に万が一のことがあったときのために、既に取り組んでいるもの
 ―― 10項目中9項目において女性が男性を上回り、女性の終活意欲の高さが顕著に表れる
◇自身に万が一のことがあったときのために、興味関心のあるものベスト3
 ――「身の回りのものの整理」「データの整理」「自分の資産整理」
◇約5割が「自宅」で終末期を迎えたいと考える
 ―― 一方で、「考えたことがない」という70代以上も3割
◇100歳以上生きたいおひとりさまは、全体の1割
 ―― 満足したおひとりさま生活を今後も長期間送りたいとの考え
◇「生まれ変わってもおひとりさま人生」を望む人が男女ともに5割を上回る
 ―― おひとりさま生活を来世でも送りたい人が過半数で、現在の生活に満足

◇ 40代以上の独身男性の結婚意欲は女性に比べて約2倍
 ―― 人生後半のライフプランの多様化が表れる


 現在の結婚への意識を聞いたところ、「早く結婚したい」(7.7%)と「いずれは結婚したい」(21.4%)と回答した人の合計は29.1%となった。一方、「結婚は考えていない」と回答した人は70.9%に上った。
 男女別にみると、女性で「早く結婚したい」(4.9%)と「いずれは結婚したい」(15.2%)と回答した人の合計は20.2%に対して、男性で「早く結婚したい」(10.4%)と「いずれは結婚したい」(27.6%)と回答した人の合計は38.0%となり、女性に比べて約2倍に上ったことで、男性の結婚意欲の高さが伺えた。

<人生後半のライフプランが多様化>
 結婚を考えていない人は70.9%おり、「ひとりが楽」「面倒」「自由でいたい」という声が多い中、「同性婚ができないから」「ペットの犬と猫といるほうが楽しい」「良い関係が長く続くのであれば、結婚する必要がない」という、現在の充満足した生活や、現代の個人の多様性を重んじる価値観からくる意見もみられた。
 一方、いずれは結婚したい・早く結婚したい理由は、「老後を意識して」「子どもが欲しい」「ひとりは寂しい」など、人生後半のライフプランの実現や将来への不安からくる意見が目立った。



◇ 終活を行う理由1位は「周りに迷惑をかけたくないから」
 ―― おひとりさまならではの周囲への気遣いが浮き彫りに


 自身が終活を行う理由として、「周りに迷惑をかけたくないから」(33.3%)が1位となった。続いて、「自分のことは自分で決めておきたいから」(22.1%)、「自分を最後まで面倒見てくれる人がいないから」(21.6%)となった。
 当社の行った未婚・既婚問わず全国20歳以上の男女835名に聞いた「第1回 終活(ライフエンディング)に関する実態調査」(2017年)では、95.1%の親が「子どもに迷惑をかけたくない」と回答しているが、本調査項目に関しては、子どもがいない人が大多数を占めるおひとりさまならではの周囲への気遣いと不安が浮き彫りになった。

<参考>(株)鎌倉新書「第1回 終活(ライフエンディング)に関する実態調査」(2017年)
URL: https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/detail.html?id=3667


◇ 老後や終末期に備え、興味関心のあるもの・既に取り組んでいるものベスト3
 ――「健康の維持」「趣味の充実」「旅行などの思い出作り」


 老後や終末期に備え、興味関心のあるものや取り組みたいことは、1位「健康の維持を心がける」(62.6%)、2位「趣味を充実させる」(40.5%)、3位「旅行などの思い出作りをする」(30.4%)となり、続いて「今後のキャリアについて考える」(13.1%)、「お世話になった人に会う・お礼をする」(13.1%)となった。
 男女別にみると、上位3項目までは順位に変化はなく、男女ともに重視している点が一致していた。
しかし、4位以降において変化があり、特に「お世話になった人に会う・お礼をする」では、男性8.1%、女性17.9%と女性が多く、男性と10%近く差が開く結果となった。
 その他、今後取り組みたいことに関しては「法律の勉強」「進学」「研究」「起業」「100歳での運転免許更新」という回答も多数見受けられ、人生を前向きに過ごしていることが伺えた。



◇ 自身に万が一のことがあったときのために、既に取り組んでいるもの
 ―― 10項目中9項目において女性が男性を上回り、女性の終活意欲の高さが顕著に表れる


 自身に万が一のことがあったときのために取り組んでいることの1位である「身の回りのものの整理」においては、「既に取り組んでいる」が男性と女性では2倍以上の差が開いた。また、2位には「お墓の生前準備」と続き、お墓への関心の高さも垣間みえる結果となった。唯一、男性の数値が上回った「データの整理(パソコンやSNSなど)」においても、差はわずか0.1%にとどまり、総じて女性の終活への関心度の高さが伺えた。
 その他、取り組んでいることへの回答には、「墓じまい」「献体登録」という回答も見受けられた。



◇ 自身に万が一のことがあったときのために、興味関心のあるものベスト3
 ――「身の回りのものの整理」「データの整理」「自分の資産整理」


 自身に万が一のことがあったときのために、興味関心のあるものは1位「身の回りのものの整理」(79.3%)、2位「データの整理(パソコンやSNSなど)」(68.5%)、3位「自分の資産整理(相続・信託など)」(64.4%)となった。以降、「自分のかかりつけ病院や終末期に過ごす場所を決める」(64.2%)、「エンディングノートの購入ないし記載」(48.0%)と続き、物品や資産を自身で整理しておきたいという、おひとりさまならではの意思が伺えた。



◇ 約5割が「自宅」で終末期を迎えたいと考える
 
―― 一方で、「考えたことがない」という70代以上も3割



 終末期を過ごしたい場所1位は「自宅」(48.2%)であったが、2位は「考えたことがない」(31.3%)となり、健康状態に不安を感じることが増える70代以上においても、30.6%の人が40代や50代と比較して差がなく、「考えたことがない」と回答した。次いで3位には「医療機関」「介護施設」(ともに8.6%)となった。しかし、厚生労働省の人口動態統計によると、平成27年の死亡者のうち74.6%が病院で亡くなっており、自宅で亡くなった人は12.7%にとどまっていることから、希望と現実との隔たりがあった。
 その他の回答には、「静かで空の綺麗な場所」「海外」「野生動物がいるところ」「楽しめる場所ならこだわりなし」など、開放感の溢れる場所を望む回答も寄せられた。


◇ 100歳以上生きたいおひとりさまは、全体の1割
 ―― 満足したおひとりさま生活を今後も長期間送りたいとの考え


 生きてみたい年齢として、1位「80~89歳」(38.1%)、続いて「70~79歳」(25.5%)「60~69歳」(11.9%)となった。一方、「100~119歳」(4.5%)、「120歳以上」(5.6%)という回答もあり、100歳以上生きたい人は10.1%に上った。
 厚生労働省の平成28年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳となっている。本調査においては、「80歳以上生きてみたい」と回答した人は合計で57.2%となり、5割以上が平均寿命と同等ないしそれ以上生きてみたいと回答していることから、おひとりさま生活を今後も長期間送りたいとの考えが表れた。


◇ 「生まれ変わってもおひとりさま人生」を望む人が男女ともに5割を上回る
  ―― おひとりさま生活を来世でも送りたい人が過半数で、現在の生活に満足


 生まれ変わったら望む人生は「配偶者なし」(52.5%)、「配偶者あり」(47.5%)となった。半数以上の人が生まれ変わってもおひとりさまを望んでおり、現在の生活に満足していることが伺えた。



◆ 調査結果まとめ ~ 鎌倉新書 広報担当より ~


 本調査では、おひとりさまの7割が「結婚は考えていない」、5割以上が「平均寿命よりも長く生きて、天命を全うしたい」、5割が「生まれ変わってもおひとりさま人生を望む」と回答しており、全般的に制約が少なく、自由度の高い暮らしが魅力的なことから、現状のおひとりさま生活に満足している実態を伺うことができました。
 一方で、「自身に万が一のことがあったときのために、既に取り組んでいるものや、これから取り組みたいもの」では、全10項目中、9項目において女性の関心度が高くなり、女性の終活意欲の高さが顕著に表れる結果ともなりました。取り組んでいるものの2位は、「お墓の生前準備」でしたが、回答した人は14.6%と少ないことが現状です。ですが最近では、単身世帯のようなお墓の継承者がいない人が増加したことで、樹木葬・納骨堂の需要が高まっています。当社が運営するお墓の総合情報サイト「いいお墓」にも、今後に不安を抱えるおひとりさまからのご相談が数多く寄せられます。お客様の希望される地域や予算に合った墓地・霊園を日本全国約6,000件から簡単に比較し、ご紹介が可能ですので、是非お気軽にご相談いただければと思います。
 人生100年時代と提唱されていますが、おひとりさまならではのライフスタイルや不安、課題があります。自分らしく、人生後半をより良く過ごせるよう、ご自身と向き合ってみてはいかがでしょうか。



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