この度は当社Web版株主通信 Business Report2023をご覧いただきありがとうございます。
Web版第一弾となる2023年1月期は、既存事業に加え、この3年間で立ち上げた新規事業が順調に成長しました。
清水祐孝代表取締役会長CEOと小林史生代表取締役社長COOが、今後の展望を語ります。
ご一読いただければ幸いです。
目指すのは、唯一無二の「終活のインフラ」企業。
これからも高齢化社会の課題解決にチャレンジし続けます。
2023年1月期は、既存事業の安定成長に加え
「相続・介護・官民協働」という新規事業が高成長。
今後の飛躍に向けてしっかりと種まきができました。
代表取締役社長COO
小林 史生
サービス・集客数・クロスユースの拡充を図ると共に
オフラインのサービスにも注力。
お客さまの潜在ニーズを拾い上げ、新たなビジネスにつなげます。
清水中長期的な取り組みとして、当社では「サービス拡充」「集客数の拡充」「クロスユース拡充」という3つの重点施策を掲げています。
特に重要なのが3つ目、当社のサービスを利用していただいたお客さまに当社の別のサービスも利用していただく「クロスユース」の拡充です。1人のお客さまに複数のサービスを使っていただければ1つのコストで2つの売り上げ、3つの売り上げと確実に収益増となりますので、この点は今まで以上に力を入れていきたいと考えています。
小林2024年1月期については、引き続き既存事業の安定的な成長を図り、生産性・収益性を高めてまいります。また、この3年で一気に伸びてきた相続・介護・官民協働事業に関しては、ユニットエコノミクスを意識しながらさらなる投資を行って、2年後、3年後により大きな収益を生み出す事業へと成長させたいと考えています。
清水官民協業事業は、現時点では自治体からの受託業務が中心です。ただ、私たちにとってこの事業の最終ゴールは、それぞれの自治体の先にいらっしゃる住民の方々に、当社がインターネットで展開している多様なサービスを利用していただくことなんです。実現すれば、今の成長の上にもう1つ別の成長ラインを重ねて描くことができるのではないかと大いに期待しています。
小林その他の新たな取り組みとしては、昨年開始した、一人暮らしや単身世帯の方、いわゆる「おひとりさま」向けの事業があります。今、日本全国で600〜700万人ほどのおひとりさまがおられますが、こうした方々に対してご自身の死後に関する不安がないようにすることも取り組むべき社会課題だと考えています。今期すぐに収益化を目指すというよりは、まずお客さまの課題やニーズを聞きとり、そこからよりよいサービスに育て上げていこうと思っています。
また、昨年8月に、終活に関するセミナーや相談を行う当社初のリアル店舗「窓口de終活」を東京の丸井錦糸町店にオープンしました。今期はこうしたオフラインのお客さまとの対話の中からまだ顕在化していない潜在ニーズを拾い上げ、新たなビジネスにつなげていきたいですね。
代表取締役会長CEO
清水 祐孝
死後・葬儀後だけでなく生前の課題も解決。
「終活のワンストップサービス」を提供できるのが
当社ならではのユニークネスです。
清水当社は仏壇・仏具業界向けの出版部門からスタートし、葬儀、お墓、仏壇・仏具の情報収集・相談・依頼のできるWebサービスを中心に、お客さまと事業者をつなぐビジネスを展開してきました。しかし、お客さまの声に耳を傾けると、終活に関する課題は葬儀やお墓のことだけではなかったんです。こんなことも悩んでいる、あんな課題もある、というお客さまの声に応えてサービスラインアップを拡充してきた結果、介護などの生前支援から葬儀、相続、お墓・仏壇にいたるまでのワンストップサービスを提供する企業に成長しました。介護だけ、葬儀だけ、と限定してお客さまと事業者をつなぐWebサービスはあっても、当社のように終活に関する課題を一気通貫的に解決できるサービスを展開している企業は他にはありません。これが、私たちならではのユニークネスだと自負しています。
小林例えば、葬儀の相談を受けてしばらくすると、実は遠方に親のお墓がある、不動産があるといった話が出てくるんです。そういう場合でも当社なら、1つひとつ別の専門事業者に相談することなく一括して委ねていただくことができます。これからもお客さまから新たな課題やニーズが出てきたら、「それはうちで対応していません」ではなく、お受けして新たなサービスの創出につなげていきたいですね。そうした取り組みを重ねながら、終活のインフラとして唯一無二の存在になりたいと思っています。
代表取締役会長CEO
清水 祐孝
今後も高い成長が見込める終活市場で
シニア世代の課題解決に尽力し
高齢化社会の活性化に貢献してまいります。
小林今、日本の総人口のおよそ30%弱を65歳以上が占めています。この割合は今後さらに高齢化が進むことによって40%まで増える見込みですので、終活マーケット、特に生前支援の部分は非常に大きな成長市場だと捉えています。まずは2026年1月期売上100億円達成を目標に、さまざまな取り組みを進めてまいります。
清水他社が持ちえないユニークネスを強みに、今後も終活におけるあらゆるニーズや課題を解決し、高齢化社会の活性化に貢献してまいります。取り組みの中には収益につながらないものもあるかもしれません。しかし、終活のインフラ企業を目指す以上、それが多くの方々が抱える課題であるならば、たとえ収益に結びつかなくてもチャレンジしていきたい。なぜなら、それが私たちのミッションであり、鎌倉新書というブランドであると考えているからです。ぜひ、こうした姿勢を中長期的な視点から評価して下さる株主や株主候補の皆様に、当社を応援していただきますようお願い申し上げます。
引き続き、既存事業の安定成長と新規事業の高成長がミックスされ、30%の増収を計画。需要の大幅拡大が続く官民協働事業など新領域に投資・コストを積極投入するものの利益面でも大幅増益を予定。
人生の締めくくりに向けて
「やるべきこと・やりたいこと」をやり切るために、
終活をもっとポジティブな活動にしていきたい。
終活という言葉も一般化してきましたが、実は戦後間もない時代には終活なんて必要なかったんです。大半の人が生まれた場所で進学し、就職し、たとえ結婚して親元を離れても近隣に住んでいたので、子どもは親の状況をよく知っていたし、親は「自分に何かあったらよろしく」と子どもに言っておけばよかった。ところが今は時代が違います。親は遠く離れて暮らす子どもに頼れなくなり、終活は「自分自身でやらなければならないこと」へと様変わりしました。
終活は今後さらに、「死に備えてやらなければならないこと」から、「人生の締めくくりに向けて、『やらなければならないこと・やりたいこと』をやり切ること」という、より前向きな活動になっていくと考えています。このように終活を捉えると、当社が力を発揮できる領域はまだ数多く存在していると思います。終活がどんどんポジティブなものになっていくような、そんな社会をつくるお手伝いをしていきたいですね。
2023年1月期の事業別紹介件数と成約率
(2022年2月1日~2023年1月31日累計)
※電話およびメールフォーム等
からのお問い合わせ
紹介件数は年々拡⼤
“終活の鎌倉新書”の認知が浸透することで
事業ポートフォリオの多⾓化が進み
クロスユースによる成⻑加速
地⽅⾃治体で「終活の鎌倉新書」という認識が広がり、官民協働事業は、全国43の都道府県の各自治体との連携が進行中。
当期の取り組みの一部をご紹介します。
令和3年9月にデジタル社会形成基本法が施行し、地方自治体は、社会のDXへの対応が求められるようになりました。そこで同市では、DXの一環でオンラインの問い合わせ対応を強化すべく「AI チャットボット」を導入することとなりました。
当社は、全国約250超の自治体と提携(2023年1月末時点)し、住民の皆様の終活に関するお悩みを解決することで、明るく前向きな社会を実現することを目指しています。
市民の皆様から寄せられる市役所での手続き、おくやみに関するよくある質問に自動で回答できるチャットボットを市のホームページとLINE公式アカウント内に導入します。
藤沢市のチャットボットにおいては、同市の公式マスコットキャラクターである「ふじキュン♡」が24時間365日自動で回答し、住民の皆様がいつでも知りたい情報をスムーズに入手できます。
AIチャットボットは住民の皆様が利用すればするほど学習し、回答精度が向上いたします。
今後もおくやみ・終活関連の質問を含む多くの回答を追加し、さらなる機能向上に努め、同市の業務負荷を軽減すると共に住民サービスの満足度向上に貢献します。
(例)戸籍の請求などの諸手続きについて「ふじキュン♡」が回答してくれます。
岡崎市は、人口 385,823 人のうち23.70%にあたる 91,435 人が65歳以上となり(2021年4月1日時点)高齢化が進んでいます。同市は、これまでにも徳川家康生誕の地ということで「五万石」をもじった「岡崎ごまんぞく体操」、オーラルフレイルを防ぐことを目的とした「岡崎モグザえもん体操」といった体操の普及等の活動を通し、介護予防事業の充実を図ってきました。また、高齢期を安心して過ごせるよう、終活に関してすぐにできる準備や、利用できる制度を知ってもらうために「終活スゴロク」を作成するなどユニークな取り組みを行っています。
今回の取り組みは、同市が実施している終活に関するビジネスマッチング「終活アイデアソン」の一環で当社との協定を活かしてより一層のサービス拡充を共同で実施し、市民への終活に関するサービス提供の質を向上させることを目的としています。
住民の終活や遺族支援に課題を持つ自治体をサポートする事業です。内閣府運営の「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム*」に参画し、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献したいと考えています。提携自治体は268自治体。(2023年1月末時点)
URLhttps://www.kamakura-net.co.jp/kanmin/*行政サービスにおけるIT活用に精通した株式会社ObotAIによると、自治体のご遺族支援に特化したチャットボットの開発は業界初の試みとなります。(2021年6月3日時点)
清水2023年1月期の業績は、主な指標はすべて期初計画を上回る結果となりました。新型コロナウイルス感染症の影響がようやく落ち着きを見せたこともあり、既存事業である「お墓・葬祭・仏壇」の3事業の安定的な成長に加え、ここ3年間で新たに立ち上げた「相続・介護・官民協働」という3事業が順調に成長しました。2024年1月期に大きく飛躍するための第一歩、たとえて言うなら三段跳びの「ホップ・ステップ・ジャンプ」のホップの部分を非常にうまく踏み出すことができたと手応えを感じています。
小林3年ほど前に清水会長が、「終活のインフラになる」というミッションを掲げたことによって、当社の事業領域は一気に広がりましたね。そこから新たにスタートさせた取り組みが実を結んだのが、2023年1月期です。相続は着実に収益化されましたし、介護は昨年グループ会社化した株式会社エイジプラスとの事業統合が順調に進み、大きく飛躍しました。
また、官民協働事業は、近年多くの自治体が取り組みを強化している、ご遺族の方への支援や終活領域におけるサービスについて、当社の知見をご提供し自治体をサポートするものです。最近では、逝去後に必要な手続きや関連窓口情報をまとめた『おくやみハンドブック』を自治体と協働刊行し話題となりました。当社のビジネスはインターネットをベースにしているものの、高齢者の中にはインターネットを使われない方もいますし、生前の課題に関しては本人だけでなく家族とも話し合いながら意思決定をしていくところも少なくありません。そこで、オフラインのビジネスとオフラインのチャネルを作るべく、2年前に本事業を開始しました。こちらも非常に順調に拡大しており、2023年1月末時点で268自治体と提携しました。