導入事例インタビュー(苫小牧市)

苫小牧市 健康福祉部次長 中村圭吾様 総合福祉課副主幹 船山苑佳様

「地域全体で支える終活」の実現へ。
行政と民間が手を取り合い、市民の想いに寄り添う包括的な支援体制を構築

(写真:中村次長と船山副主幹のツーショット)

(写真:窓口での配架の様子)

導入の背景:多様化する市民ニーズに対し、より組織的な寄り添いを

高齢化の進行とともに、単身高齢者の方々から寄せられるご相談は、死後事務や相続など多岐にわたるようになっています。
これまで現場のケースワーカーやケアマネジャーが個別に丁寧な対応を行ってまいりましたが、より専門性の高い分野においては、組織的な支援体制のさらなる充実が求められていました。
「市民の皆様の多様な不安に対し、組織としてより一貫性のある、確かな情報を提供できる体制を整えたいと考えていました」と中村次長は語ります。
こうした想いから、行政の枠組みを超えた専門性を取り入れるべく、民間事業者のリソースを柔軟に活用する「官民連携」を推進。2025年11月、鎌倉新書との連携協定を締結しました。

取り組みの内容:170名超が来場したセミナーと、手に取りやすさを追求した窓口の工夫

連携の第一歩として開催した「終活セミナー」では、想定を大幅に上回る170名以上の方々が集まり、終活に対する関心の高さが改めて浮き彫りとなりました。

セミナーと併せて配布を開始した「終活べんり帳」や「エンディングノート」について、船山副主幹は現場ならではの工夫を凝らしました。

「大切な情報だからこそ、必要な方に自然に届けたいと考えました。そこで介護福祉課の窓口では、手続きの待ち時間を活用してじっくり中身を見ていただけるよう、各テーブルに見本を設置したのです。市民の方から『こういう資料が欲しかった』と声をかけていただく機会も増え、非常に手応えを感じています」

(写真:終活セミナーの様子。想定を超える170名超が来場した。)

組織の変革:部局の垣根を越え、地域を面で支える「ハブ」の役割

終活支援をより包括的なものにするため、苫小牧市では組織間の連携強化にも着手しています。令和8年度(2026年度)からは、総合福祉課が「ハブ」となって情報の集約を担いつつ、高齢者支援の現場を熟知した介護福祉課が側面から支える体制を整えました。

さらに、都市建設部が進める「住宅セーフティーネット(居住支援)」とのタイアップも検討。福祉と住まいの両面から市民を支える体制を構築することで、「どこに相談すればよいか、目に見える安心」の提供を目指しています。中村次長は、「各部署が持つ強みを掛け合わせることで、よりきめ細かな支援が可能になる」と期待を寄せます。

苫小牧市の今後:官民のパートナーシップで、誰もが安心して暮らせるまちへ

中村次長は、これからの自治体運営の在り方について次のように語りました。

「全てのサービスを公的セクターだけで担う時代は終わりました。
民間でできることは民間に委ね、お互いがウィンウィンになる関係を築く。鎌倉新書の民間ならではの視点や、他自治体での知見を積極的に取り入れながら、市民の『将来への漠然とした不安』を安心に変える取り組みを広げていきたいと考えています」

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